死を目前としたとき人はどうなるのか|死の法務の現場から死の訪れについて考察してみる

 みなさん,こんにちは。

 テレワークを本格的に徹底している行政書士隅田川法務事務所です。

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 ご存じのとおり当事務所の専門業務は「死の法務」ですが,それ以外の業務もあります。たとえば,行政法務であれば刑事告訴や許認可,民事法務であれば離婚や種々契約書作成,経営法務であれば経理や営業許可等々,このように多角的に国民の権利利益の実現に資するべく業務を展開しております。つまり,死の法務以外の一般の依頼者さんもあるわけですが,葬儀屋やお寺等の一般的な死に隣接した業者が「死んだら葬儀いかがっすか!?」等と営業しないのと同じように,こちらからわざわざ勧めることもありませんでした。知る人ぞ知る事務所であれば良いというのが,当事務所の運営理念ですからウェブサイトを設置するまでは特段一般依頼者と死の法務について話すこともなかったのです。しかしウェブサイトを設置してからというもの「ウェブサイトを見てびっくりしました。死の事務所だったんですね」という声がチラホラと出始めております。いやいや,「死の法務を取り扱う事務所」であって「死の事務所」ではありません(笑)。

「遺言書を書きたい」,「終活をしたい」,「墓じまいをしたい」等と「死の法務」を目的に相談する方々は,「死」についてあれこれと考えを巡らせた後に相談していることが大半なので,そもそも「死の法務」への心構えができていることがほとんどです。しかし,「死」から目を背け続けた方々は抵抗がある分野でしょう。

 何故か,死をタブー視する方が一定数あります。家族が遺言書を書くことを勧めると「縁起でもない」とか,「早く死ねってことか」等と感傷的に死を捉えるのです。死を観念として理解できていても,実際に自身に起こることとしては理解できていない,否,理解することから逃避している方が実に多いのです。未来永劫死なない可能性がわずかでもあれば死をタブー視することも良いでしょう。しかし残念ながら何人にも必ず訪れるのが「死」であるわけですから,タブー視することによって得られる利益は,タブー視することによって失われる利益に劣後するわけです。それにつけても,業務として依頼者の死を扱っているためか我々は四六時中も死について思索しております。

 輪廻転生はあるのか,死後の世界はあるのか,神や仏,霊等は存在するのか等の宗教的,原始的なことから,死は生や幸福等の積極的な概念の対となる消極的な概念なのか,死を精神心理的に克服することはできるのか等の哲学的,科学的,現代的なことまで,多角的に「死」を思索します。前者は実験・証明不能ですし,個人的に信じていません。後者は実験・証明可能ですし,さらなる追求を要する事柄でしょう。宗教が嫌いというわけではありませんし否定する気は毛頭ありません。単に盲信するのではなく,信仰を通じて善く生きることを模索するための宗教であればそれは大変素晴らしいことだと考えます。当事務所の墓じまいというのは宗教に敵対するものではなく,強迫観念的盲信からの解放にその本質があります。無宗教でありながらも一定の死の原理原則が宗教に存することに異存はありません。無神論も過ぎればカルトと同程度に社会の害悪となりうるでしょうから我々は常にフラットにありたいものです。

 さて,この「死を思索する」という行いのないままに死にゆく親族や知人等の方々を多く見送ってきました。少し過激な表現となりますが,犬死にとまではいわないまでも「何となく生きて何となく死んでいった」方が多いようにお見受けします。

 ある日突然に余命を宣告され,よくわからないままに盲目的に死を恐れ,最期の時間を死の恐怖に苛まれて空費するばかりではあまりに悲しいではありませんか。

 我々は,依頼者の死の数だけ「死」を学ばせて頂いております。この学びの蓄積は,次の依頼者へと繋がなくてはなりません。愛に生きた人生も,職に生きた人生も,善に生きた人生も,それぞれに学ぶところが多いのです。我々は少し別の角度で「死に生きる人生」というものを全うしたく,いつか「死」を迎えるときに不幸の訪れとせずに,古い友を迎えるように,穏やかに安らかにありたいと考えています。そのためにはやはり死に生きることでまだまだ学ばなくてはならないのであろうとも考えます。生の対の概念として死があるのではなくて生のその先に死があることは明らかでありますが,それでもやはり死は恐ろしいものです。その盲目的な恐怖を克服し科学的に現実的に死と向き合うことで生の質と死の質を向上させることを当事務所の「死の法務」の真髄とすることが大切なのでしょう。

 法の歴史からみるに,我々国民にとってわが国のいまは「奇跡の時代」といえましょう。個人の権利がこの上ないまでに保障され,かといって無政府状態のごとき過ぎた自由とまではいかない,なんとも絶妙な時代であります。そうである以上,時代を徒に嘆くことなく,奇跡の時代に燥ぐことなく与えられた権利を慎重かつ冷静に享受し,課せられた義務を全うすることこそがより善く生きることの第一歩であろうと考える次第であって,つまりこの時代にこの時代の法を駆使することによって,「生の質」と「死の質」を向上させることが可能なのです。このような積み重ねによって「死」は穏やかに安らかに優しく我々のもとを訪れ,我々は微睡むように,微笑むように,その死を受け入れられるのでしょう。

 

遺言・相続・死後事務・終活 死の法務に特化した行政書士隅田川法務事務所

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