東京都で感染者リバウンドかーーコロナ禍と死の法務について考察してみる

都内 新型コロナ534人感染「不要な外出控えてほしい」|NHK 首都圏のニュース
残念ながら「三度目の正直」とはならないようです。
三度目の緊急事態宣言が明けて初の週末ですが,みなさんはどのようなおうち時間を過ごしていますか? まさか遊びに出掛けているような不届き者がいないことを祈るばかりです。私のおうち時間は専ら映画鑑賞と読書です。
さて,当事務所では,新型コロナウイルスの感染対策を万全としてきました。当事務所所属員において,感染者・濃厚接触者ゼロを維持しております。これは,依頼者や関係者のみなさんのご協力,従業員のみなさんの努力・集中力の賜物であると確信しております。
死の法務を専門としている我々がお見舞いや遺言書作成に出向いて万が一があれば,ただでさえ,死に神のように敬遠される我々がいよいよ死に神そのもののように思われかねません。
冗談はさておき,我々のところにもじわじわと同調圧力が迫ってきております。
隣接某士業の先生「緊急事態宣言も明けたので,打合せは対面にしませんか? 食事でもしながらどうでしょう? みんな来ますよ?」
ファイナンシャルプランナー「パーティーがありますので事務所のみなさんでお越しください。みなさんいらっしゃるようです」
不動産業者「まだ感染対策やってるんですか?(笑い)。うちはもう止めちゃいましたよー。みんな止めてるんじゃないですかね」
「みんな」って誰ですか? 我々が知る「みんな」である所属員全員や,ほとんどの依頼者達は感染対策の徹底を継続しています。所属員は,公私問わず緊急以外の外出は禁止です。
「赤信号 皆で渡れば 皆轢かれる」です。
東京都の事業者ですから,東京都の要請のとおりに,日本の国民ですから政府の要請のとおりに……,当事務所は同業者間で優等生扱いされますが,とんでもない,最低限のマナーです。文字で説明して頂ければ読めますので守れます。
「どうしてそんなに続くんですか?」
これはよく訊かれます。そして,この質問の方々は「ちゃんとしたい人」であることが多いですから,お答えします。
亡くなった方々の,最期の願いだったからです。
コロナ禍に亡くなっている方は新型コロナウイルスに感染して死亡した方だけではありません。高齢者施設で老衰で死亡した方,自宅で孤独死した方,癌のため病院で死亡した方,みなさん残された僅かばかりの時間を自由に生きたいと切望したのです。家族と過ごしたいと渇望したのです。それらの望みは面会制限や外出制限で叶わないままに亡くなった方が多かったのです。家族が側にあっても,最後に,外を歩きたい,旅行に行きたい,美味しいものを食べに行きたい,友人に会いたい等々,多くの望みが叶わないままに亡くなりました。我々の欲求と,余命幾ばくもない方々の最期の願いは,対等ですか。そんなわけありません。人間なんていつ死ぬのかわからないのだから好きなことを……云々,笑止千万。いつ死ぬのかわかってしまっている人たちがいるんですよ。こういった方々を見送るたびに,繁華街が賑わう報道や,感染者増加の報道に辟易します。命を賭した願いは,若者の欲求に黙殺されているのです。
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家族がエッセンシャルワーカー等であると,見舞いのために入院病棟に入れない時期もありました。病院側に,我々の感染対策の程度を説明・証明し,感染させないこと・体調不良等があった場合には速やかに申し出ることの誓約書を差し入れ,遺言書作成のために見舞いました。
「人と会えるって良いね。本当に来てくれてありがとう。今日のために我慢して辛かったでしょう。先生には迷惑掛けてごめんなさいね」
我慢しているのは,病室に隔離された依頼者です。健康で,この先しばらく生きる我々の外食や外出の我慢なんて,依頼者の忍苦の比ではありません。それなのに,我々を思い遣る言葉をくださるなんて,死が迫ることによる悟りなのか,生来のものなのか。
「病気は怖いからね。気を付けて元気でね。コロナが終わったら一度外出か退院するから,お食事でもご馳走させてください」
私と依頼者が交わした最後の会話です。最後の面会者が私でした。
毎日,多くの人が死にます。最後に見る世界がこんな状態であって良いわけがないのです。たかだか2,30年生きた人間が自由気ままに生きて,7,80年,辛苦して生きた人間が不自由に死んでいく,狂気の沙汰です。あまりに不条理で堪らなくなります。
職業柄,親交がある方々のほとんどは高齢です。コロナ禍が終わったら……と果たせずじまいの約束が日々増えていきます。
西村再生相「酒の提供停止も検討」…新規感染者、首都圏で増加顕著 (msn.com)
やれ酒を飲ませろ,やれ酒を売らせろと,うっせぇわです。全集中の呼吸で臨めば何とかなっていたはずです。
こういえば若い人にもわかりやすいのですかね。「うっせぇわ」は歌のタイトルで,「全集中の呼吸」はテレビ漫画の何かです。コロナ禍に関係なく飲酒は緩やかな自殺です。大切な身体ですから自分自身のためにも禁酒して更生を図りましょう。まぁまだ,平時に飲む,自宅から一歩も出ないで飲む,という方はセーフでしょうが,この状況下,外で飲みたいというのは,コントロールが利かなくなっているというほかありませんから治療が必要なのでしょう。
はい,毎度おなじみ東京都のウェブサイトです。東京都には何でもあります。こういうところもありますので,「お酒を飲みたい」,「薬物を摂取したい」,「ギャンブルにお金を払いたい」と思う方は相談してみましょう。
アルコール・薬物・ギャンブル等の依存症 東京都福祉保健局 (tokyo.lg.jp)
あれこれいいましたが,社会を変えようなんて面倒なことは思いません。政治家の先生方にお任せします。我々は一般よりも「死」に近いから,ちゃんとしているだけかもしれません。おそらく,飲食店の許可申請やコンサルを専門としている行政書士は酒を飲まないと飲食店が大変だといい,風俗店の許可申請やコンサルを専門としている行政書士は風俗に行かないと風俗店が大変だというでしょう。そんなもんです。我々も命に関わらないことについては適当な一面もあります。ただ命に関わることだけは我々だけでもちゃんとしていよう,と思っているので,せっかくのお誘いですが全部お断りします。
遺言・相続・死後事務・終活 死の法務に特化した行政書士隅田川法務事務所
無償(23区内在住の方に限る)|高齢者の新型コロナウイルスワクチン接種|インターネット予約無償サポート・代行受付開始 – 行政書士隅田川法務事務所 (sumidagawa-gyosei.tokyo)
ワクチンを受けるには | コロナワクチンナビ | 厚生労働省 (mhlw.go.jp)