小池都知事が入院ーー理想と現実の乖離について考察してみる

小池都知事 過度の疲労で静養 今週いっぱい公務離れると発表 | NHKニュース
小池都知事は都内の病院に入院 | 共同通信 (nordot.app)
非常に心配なニュースです。
長丁場のコロナ禍対応で心身共に負荷が大きかったことと推察します。まるで小学校の先生のように言い聞かせる業務に奔走する姿には感服しておりました。他方で,言葉を駆使して,都民にわかりやすく丁寧に伝えている姿を日々拝見して,いつ休んでいるのだろうか,と心配してもおりました。
聞く気がない人や伝わらない人って一定数いると思うのです。ご存じのとおり,当事務所は無宗教ですが,政治に関してもこれといった思想というものがありません。選ばれた人のいうことを聞くだけです。依頼者の多様性に向き合うため,宗教,政治をはじめ,あらゆる思想において無色透明でありたい,というのが我々の信条です。しかし,いかなる思想信条であっても,有事のときの不平不満ほど危険なものはないと考えます。特に飲食店に関しては,小池都知事を名指しで批判する等,あまりに心無い声が頻出していたように見受けられます。我々の現場レベルでも,相談者等の非道い声は多かった,というのが実感です。辛いのは誰か,努力しているのは誰か,少し考えればわかることです。生活維持のための仕事等は別ですが,飲みに行きたい,遊びに行きたい等の人を抑え込むことなんて,都知事の仕事ではないでしょう。都民一人ひとりの頭で考えられる程度の話です。
協力金申請や持続化給付金申請業務等は行政書士の職域ですが,当事務所では消極的でした。本当に困っている人には届かずに小手先が器用な人が儲かってしまったり,犯罪者の不正申請に加担してしまう等といった危険性もあるので,あまりやりたくない分野です。
このようなことを有り体にいう行政書士も少ないでしょう。それはそうでしょう。無難な言葉を使います。心にもないことをいう人もいるでしょう。人間の本質は嘘吐きですから,仕方がないことです。我々に嘘がないかといえば,そんなことはありません。我々も嘘を吐いてしまうことがあります。それでも,少しでも嘘を減らしたいと思うのが人情です。
たとえば,以下のようなニュースがあります。
性風俗業「本質的に不健全」給付金支給「国民の理解得られない」…争う姿勢の国側が答弁書 : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)
この国側の主張について肯定も否定もしません。嘘は吐きたくないですし,非難されるのも面倒です。ひとついえることは,当事務所では風俗店の許可申請は取り扱っていません。当事務所では学校法務や死の法務等の道徳上有意義でなければならない専門分野を主とする一方で,「公衆道徳上有害な業務」とした裁判例がある業種に関わることはできかねます。とはいっても,嘘は吐きたくないですから本音をいえば,破格の報酬を提示されれば心が動きます。しかし,報酬規定がありますので,「破格の報酬」を受領することはできませんので断ります。行政書士には受任義務がありますが,法以外にも,裁判例や判例,その他の慣習等を根拠として拒否することもできます。我々も所詮「破格の報酬」に目が眩む俗物なので,これを律するために理念,規則,規定等があるのです。
当事務所の理想は「道徳上有意義な業務」ですが,現実には理想とはかけ離れた相談に応じることもあるのです。離婚業務等はわかりやすいのでこれでたとえましょう。不倫されてひとり親となる配偶者から依頼される離婚協議書(離婚の成立,離婚原因,慰謝料,養育費,財産分与等について契約する書類。詳細はこちら)は道徳上有意義な業務でしょう。他方で,不倫して好き勝手やった人から依頼される離婚協議書はいかがでしょうか。複雑な気持ちで受任します。経営上の観点ばかりでなく,どうしようもない依頼者であっても憎めなかったりするのが人情なので困ったものです……。
とはいえ,依頼者が「自分は大丈夫かな……」と心配する必要はありません。いかなる事情であっても,いかなる職業であっても,依頼を受けている時点で,マイナスの要素に勝るプラスの要素を見出しているから受任しているわけです。そうである以上,我々は依頼者の「権利利益の実現」を目的に全力で業務に当たりますのでご安心ください。
この理想と現実の乖離を見て見ぬ振りするのが,一般的な大人の対応です。しかし,行政書士法という大義がある以上,我々の業務は理想論で良いと考えています。
東京都の業務も,政府の業務も,理想を実現することが職責でしょうから,「都民・国民のみなさん動かないでください。外出しないでください。オリンピックはやります」で良いのでしょう。すべては都民・国民の安全・安心,生活のために直結する話なのでしょう。現実には,フラフラと酒を飲み歩く大人もいるようですが,これもまた仕方のないことなのでしょう。自らが子どもの手本となり行動する必要がない人は自由気ままに生きることで本懐を遂げるのでしょうからこれもまた自由です。その自由気ままのしわ寄せは医療機関やちゃんとした人たちに及びます。今回の都知事の過労もこういった類いのしわ寄せなのでしょう。しかし引き波を立てる船は,波が立つ頃には先に進んでいますから立てた波に気付くことはありません。その結果,じわじわと規制が厳しくなるだけです。そして取り締まられるだけです。我々はゆったりと進みましょう。阿呆のように速度を出す船からは極力遠ざかり,波には斜めに構えれば衝撃を和らげることができましたね。
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