行政書士とは
「どのようなときに行政書士に依頼をしたら良いのか」
行政書士は,一般の方にはあまり馴染みのない業種かもしれません。
弁護士なら裁判のとき,税理士なら税務申告のとき,弁理士なら特許申請のとき,海事代理士なら船舶登記のとき……というようにわかりやすいのですが,行政書士というのは,守備範囲が非常に広いため,一概にどのようなとき,というように特定が難しいところです。
上の例によれば,行政書士なら許認可申請のとき,というのが模範解答でしょうが,許認可申請と一口にいっても相当種類があります。このそれぞれの分野に古参の先生方が多く,また技術的・知識的にも,蓄積が膨大であり,太刀打ちできないため,なかなか参入しづらい分野であると思います。
当事務所でも許認可申請は取り扱っていますが,顧問先で申請を要する場合に行う程度で,許認可を専門的に,という取扱い方はしていません。
行政書士法という法律がありまして,この法律によれば行政書士が作成することができる書類は大別して,①官公署に提出する書類,②権利義務に関する書類,③事実証明に関する書類,の3種類があります。
飲食店の営業許可等の許認可申請,告訴・告発等が①です。請求書,示談書,離婚協議書,遺言書等は②です。報告書,会計帳簿,議事録,申述書等は③です。
当事務所では,①,②及び③のうち,狭い部分を専門としています。いわゆる市民法務というものです。①では犯罪被害に遭ったときに作成する告訴状等。②では終活に伴う遺言書や死後事務委任,離婚に伴う離婚協議書等。③では中小企業・個人事業者の経営支援に伴う各種書類作成等。
行政書士は,街の法律家,身近な法律家等といわれ,市民生活に密接した困りごとや悩みごとの解決を専門としています。
医業にたとえると,わかりやすいのですが,弁護士は手術を行う総合病院です。他方,行政書士は,ちょっとした風邪や体調不良のとき,または健康維持のためにかかる町医者のようなものです。
また行政書士は,紛争性のある事案を扱うことはできません(弁護士法第72条)。これは一見行政書士の弱点のようにも思えますが,そのようなことはありません。誰であっても,特殊な癖の人を除いては紛争など好みません。街の診療所において,健康を維持するように,大きな病気にかからないように,自宅で穏やかに看取られるように,そのような生活に密接した,調和を重んじる法律業務を専門とする法律隣接業なのです。
当事務所では遺言,相続,死後事務,終活等の「死の法務」を専門に取り扱っておりますから「死」を意識したときには,お気軽にご相談ください。
「死の法務」について,詳しくはこちらのウェブサイトをご覧ください。